木質内装材のデザイン−デザイン表現の方法

どんなに良い材料を駆使してもデザイン的要素が欠除しますと、演出効果が半減し、むしろ嫌悪感さえ感じることがあります。
一方、平凡な材料でもデザイン次第で素晴らしい空間を演出することもできるのです。 木の性質を知り、その良さを最大限に発揮させるために、デザインには十分気を使いたいものです。

■表面仕上げの種類

通常材面の保護や材質の引き立て、色調の調整効果をねらって表面仕上げを施しますが、全く無垢のままで使用する場合もあります。
  塗料名(略号) 塗り回数 価格比 耐用年数 色の自由度 塗膜性能 特記事項
材料のみ 材工とも
クリヤー(下地露し) オイルステイン(OS) 2 A A 内部5 ピグメントステインは外部用(2年)
スパーワニス(OC) 2 A A 内部5 着色は3工程
セラックニス 1 A A ヤニ止め
ラッカー(CL) 4 B 内部5 家具・調度
ウレタン樹脂(UC) 3 内部10 有・消 1液形、床用が多い
ワックス仕上げ(OW) 1 A A 艶出し
3〜6 内部20 家具・調度
カシュー 3〜4 内部20 家具・調度
WPステイン(木材保護着色剤) 2 B 3 防虫・防蛾・防腐効果
エナメル(下地塗り潰し) 調合ペイント(OP) 3 A A 5 乾燥が遅い
合成樹脂調合ペイント(SOP) 3 A A 3 有・消 最も一般的なペンキ
ラッカー(LE) 4 B 内部5 有・消 家具・調度
ウレタン樹脂(UE) 4 内部10 有・消 家具・調度

※塗料名、略号には俗称がいろいろあるが、ここではJASS18「塗装工事」に準拠した。
※上の素地調整で、最低限必要なものは、汚れ落としなどの清掃である。あとは、耐久性の必要度、仕上がりの要求品質によって実施されるわけだが、素地によっては特別の処置が必要になってくる。いずれにせよ、手をかけることは、それだけコストが高くなることだといえる。このバランスを忘れたり、配慮しないと、すぐ剥がれたり、思い通りの仕上がりが得られないことになる。
※価格比 材料、材工は、A:基本的な塗装の材料費/kg、材工賃u(素地関係を除く)、B:A×1.5〜2.0、C:A×2.5〜3.0、D:A×3.5〜4.0、E:それ以上特別高いレベル。なお現在、材工賃中の材料代は20%以下程度で、工賃のウエイトが大きい。Aの基本は1000円程度が目安となる。
※耐用年数は昨年の総合技術開発プロジェクト(建設省)などが導き出しているものを参考とした。無表記は外部での年数。地域差、環境差はある。
※色の自由度は、◎:冴えた鮮やかな色に可、○:かなりの色相・特に淡彩は可、△:限定される
※艶は、有:艶有り、消:艶消しあるいは内部用の艶なし。
※塗膜性能は、◎:外部適性よい、○:一般的な条件は持っている、△:それほど劣化因子に強くない(劣化因子:紫外線、湿気、酸、アルカリ、海塩粒子など)

〜木質系の素地(下地)調整〜
@汚れ落とし
A研磨
Bヤニ止め(セラックニス)
Cパテかい(パテ)…キズや小さな欠けに対してD研磨
E目止め(目止め剤)
※Cはペイント、エナメル塗りに行える
※C、Eのパテ、目止め剤はそれぞれの塗り仕上げに適するものを用いる

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