住まいの耐震診断と補強

木造住宅はどの部分が悪くなっても、取り替えたり補修することが比較的簡単です。
強い家づくりの方針がわかったら、今度はあなたが今住んでいる建物の耐震チェックが必要です。
危険な箇所を発見したら、できるだけ早く補強をするよう心掛けましょう。

[基礎と土台]

チェック・ポイント
・土台と基礎との間にすきまがあいていませんか?
・土台と基礎がずれていませんか?
・亀裂が入っていたり、崩れているような所はありませんか?
 ・土台は腐っていませんか?
基礎、土台は建物を支える重要な部位ですが、目につきにくい所なので注意を向ける人は少ないようです.土台と基礎の間に、すき間が空いていると、建物自体の強度に影響してきます。
水はけの悪い地盤にある建物は、基礎や土台がすぐ腐朽してしまいます。

補強の方法
・浴室のタイルなどがはがれているような場所は、そこからこぼれた水気が土台や柱の足元にしみ込んでしまい、木を腐らせるので、早めに修繕が必要です。
・基礎と土台はアンカーボルトでしっかり固定しましょう。

[軸組]


チェック・ポイント
・軸組は腐っていませんか?
・水まわり部分の床下や柱部分が腐っていませんか?
・接合部の補強はしっかりしていますか?
木材は濡れたり乾いたりを繰り返したり、水分が多くなったりすると腐ってもろくなります。
結露・カビ・ダニの発生などは住宅の耐久性に悪影響を与える大敵です。
腐食を放っておくと、木材が崩れ倒壊の原因になります。

補強の方法
・防腐処理を行うか、腐食した部分を取り替える必要があります。

[耐力壁]


チェック・ポイント
・筋かいは左右対称にバランス良く配置されていますか?
・一階の耐力壁の量は充分ですか?
・耐力壁は柱や桁、土台にしっかり接合されていますか?
筋かいの量及び壁面積は、建築の確認申請の書類を調べるとわかります。
耐力壁は建物全体でかたよりなく配置されているか、を調べてみましょう。また、量は充分でも、柱や桁、土台にしっかり接合されてなくてはなりません。

補強の方法
・耐力壁は建物の外周だけでなく、中心部にも配置する。
・一階の耐力壁はできるだけ多く。
 ・一階が駐車場になっている場合は「ほおづえ」で補強すると耐震性は高くなります。アーチのような形にすれば印象も良くなります。


[床・窓・ドア]


チェック・ポイント
・床は傾いていませんか?(ビー玉などを転がしてみるとわかります。)
・ドアや窓を閉めた時にきちんと閉まらなかったり、すき間が空いていたりしませんか?
・床の傾斜は、地盤・基礎・土台のどこかに問題がある場合があります。もう一度チェックしてみましょう。
軟弱地盤や雪の荷重のために建物自体が傾いているおそれがあります。

補強の方法
・窓・ドアの応急処置として、補強のための筋かいを開口部に入れて、全体のゆがみをとる方法があります。

◎増改築のチェックポイント
住まいは古くなったからとか、地震に弱そうだから、といってすぐに新しいものと取り替えることができるものではありません。だからこそ最近では、住まいの増改築(リフォーム)が見直されています。
増改築の際、間取りを変更するために構造的に大切な柱をとってしまったりすると問題ですが、構造計算をきちんとして安全性を確保した設計・施工ならば問題は無く、むしろ増改築は構造チェックのちょうど良い機会となるのです。

その点を承知の上で、次のポイントに気をつけながら工事に臨みましょう。
1.基礎と土台はしっかりしているか充分にチェックする。
2.壁を撤去するときは構造的に弱くならないよう充分にチェックをする。
3.今住んでいる建物が変形しているときはその補修も忘れずに。
4.材質の最終決定は現場で行い、実物を見ながら行うようにする。
5.施工後のメンテナンスについては業者としっかり打ち合わせを。

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