2004.02.02
カフェ『LaLa』 様

街の中でも山の中

施主の希望は、“街中でも山の中にいるようなイメージ”と“シックハウスのない住宅”。住宅雑誌の中から、自分のイメージに合った住宅を探し、(有)北海道建築工房を見つけ出しました。
そんな『LaLa』は、どこを見ても木材ばかりです。外壁・デッキ・ドア・窓枠・壁・天井・カウンター・テーブル・いす・棚・・・・。(有)北海道建築工房の過去の建築を見て、ある程度想定していた施主にとっても驚きの、木材に囲まれた住宅です。


カラマツ人工林材

内部(夜)今回使用された木材は、道産カラマツ人工林材。間伐(かんばつ)により生じた小さい材を接着剤で張り合わせた集成材(しゅうせいざい)と、真っ直ぐ太く育った材を、大根のカツラムキのように剥いて、接着剤で張り合わせた合板(ごうはん)が主体となっています。使用される接着剤にはシックハウスの原因となる物質を出さないものが使用されています。
ほのかに赤いカラマツの色と、整然と並んだリブ構造が、少し暗めに設定した店内の明かりと調和して、静かではあるが、凛とした、落ち着いた雰囲気をかもし出しています。
外壁にもカラマツを使用しました。直射日光や風雨にも耐えられるように、芯を避けて製材した材を、十分に乾燥させて使用しました。張り方も、木材の反りに強い大和張りです。Cafeのイメージに合った、柔らかな感じの壁に仕上がりました。

しばしば、カラマツでは“節(ふし)”が問題になります。強度にはあまり問題になりませんが、見た目が“うるさい”と感じる人もいるようです。特に人工林材では多いようです。
『LaLa』で使われている木材にもたくさんの節があります。しかし、施主は気にならないご様子。「節は気になりませんか?」と聞いてみると「言われてみれば、たくさんあるね」と答えられました。来客される方も、木がふんだんに使用されていることに「ウワァ」と感嘆の声を上げることはあっても、節のことを気にする人はいないようです。『LaLa』では、節も模様のひとつとして、山の中にいるようなイメージを創っている気がしました。


ゆったりとした時をくつろぎの空間で

内部(昼)
リブ構造を活かした棚
『LaLa』の目の前には緑豊かな平岡公園が広がります。平岡公園の四季折々の景色が楽しめるように、建築にも配慮がされています。平岡公園に向かっておかれたソファーに座ると、まるでスキー場のロッジから外の景色を見ているようです。ここを訪れるお客様には、ゆったりとした時をくつろぎの空間で過ごしてほしいという施主のこだわりを感じました。

この家のもうひとつの特徴は、施主が積極的に施工にかかわっていること。塗装から電灯の設営、テーブルや棚の造作、床板の貼り付けなど、建物以外のかなりの部分に施主自らの施工が見られます。木材を使用した住宅で重要なことは、住宅のメンテナンスをすること。そのためには施主が自ら施工することも大切です。建物の大半が木材で出来ていることも、素人工事を楽にしている要因にもなって います。
ただ今回は、残念ながら、施主が利用したDIYショップにほとんど道産材が 置いてなかったこともあり、特に道産材にこだわって使ったわけではなかったとのこ とですが、今後は道産材も積極的に活用していただきたいと思います。


Dining Cafe LaLa

住所 札幌市清田区平岡公園東1丁目12番27号
電話・FAX 011-882-8875
ホームページ http://www15.plala.or.jp/LaLa/
地図

参考資料

  建築設計事務所

[(有)北海道建築工房](別画面で開きます)

  使用した木材

[協同組合オホーツクウッドピアの構造用集成材]

[丸玉産業(株)の構造用合板]

[協同組合オホーツクウッドピアの外壁材]

  カラマツはどんな木?

[カラマツ]

  「間伐(かんばつ)」とは?

[木に関する知識情報−手入れ]

  おまけの情報

施主は、北海道の環境にあこがれて東京から移住してきた方です。施主の北海道に移住した経緯はこちらから。
[NPO法人私設北海道開拓使の会](別画面で開きます)

施主の友人がニセコでガラス工房「グラス・ニセコ」を開いています。ニセコの大自然の中で一個一個手作りで製作している彼の作品は、 雪の結晶をイメージしたきらきら輝くフォルムに、「使い易く」「壊れにくい」とい う実用性も加味したデザインになってます。作品を「LaLa」で見ることができます。

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